【基礎】知識講座_縮毛矯正の仕組みについて(2022)
縮毛矯正の仕組みについて解説します。縮毛矯正ではどのようなことが起きているのか、綺麗に施術するポイント・ダメージとなる原因などを踏まえて説明しています。縮毛矯正の原理を理解した上でお客様の髪質にあわせてダメージを最小限にした施術が行えるようにしましょう。
解説内容
講師紹介
ALBUM
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ポイント
縮毛矯正がかかる仕組み
ダメージになる原因
薬剤の選定方法
テキストで学習する
縮毛矯正の仕組みについて
縮毛矯正の薬剤を塗布すると「軟化」「膨潤」「還元」という3つの反応が毛髪に起きます。「軟化」とは毛髪がアルカリ剤によってアルカリ性に傾けられた状態です。そうするとキューティクルが開き薬剤の浸透が促進されます。キューティクルが開くと毛髪はゴムのように伸び、強度は弱くなります。軟化をすると「還元」するスピードが速くなります。還元した後は「膨潤」が起こります。アルカリが高ければ高いほど膨潤率は比例して高くなります。
「還元」とは水素結合、イオン結合、シスチン(S-S)結合の毛髪内部の結合を切断することを言います。還元させないとクセは伸びません。水素結合は水に濡れる事で切断、乾くと結合します。イオン結合はプラスイオンとマイナスイオンの結合のことを言い、アルカリの薬剤を塗布することによって切断されます。縮毛矯正で重要なシスチン(S-S)結合はアルカリによって切断されます。シスチン(S-S)結合を切断しないとクセは伸びません。低アルカリ高還元の薬剤を使用して最低でも15分放置してしっかり還元させましょう。
縮毛矯正で失敗する、またはダメージを与えてしまう時は「膨潤」していることが考えられます。「膨潤」とは、アルカリの高さによってシスチン(S-S)結合を切るよりも先に毛髪が軟化膨潤に耐えられなくなってしまっている状態です。膨潤するとカラー毛であればその部分が明るくなり手触りもブニョブニョして引っ張るとゴムのように伸びてしまいます。この状態で流してアイロンしてしまうと毛髪の水分を飛ばし、かつ髪の毛を潰してしまうのでダメージの原因となってしまいます。アルカリの薬剤を使用するので膨潤が起こらないように薬剤をコントロールすることが大切です。お客様の髪質に合った薬剤選定をすることが非常に重要なので、ブリーチ毛だったり、現在ブリーチ毛でも過去に黒染めの履歴がある場合など、しっかりカウンセリングと触った感覚で履歴を遡って行くようにしましょう。
還元に大切なシスチン(S-S)結合の種類ですが、S-1(親水部)とS-2(疎水部)の2種類あります。それぞれの特徴はS-1(親水部)は水に馴染みやすく油に馴染みにくい、S-2(疎水部)は水に馴染みにくく油に馴染みやすい、となります。ダメージ毛の場合は内部欠損が高いので水が入りやすく浸水性、バージン毛は内部欠損が低いので水が入りにくく疎水性、となるので薬剤選定でお客様の髪質を見極めて還元剤を選ぶことが大切です。還元剤は「チオグリコール酸」「チオグリセリン」「システイン」「システアミン」「GMT」「スピエラ」と主にこの6種類あります。どのS-S結合に有効か、などそれぞれ特徴があるのでお客様の髪への負担を軽減するためにも頭に入れておくようにしましょう。