【基礎】パーマ_コールドパーマの基礎[後編](2022)
今回はコールドパーマの基本的なプロセスを解説します。この後編ではターバン〜ロッドアウトまでの解説になります。前編でブロッキング〜ピン刺しまでを解説しています。コールドパーマは細かなテクニックで仕上がりに大きく差が出るので、手順やポイントをしっかり学んでお客様に満足していただける施術ができるように前編・後編合わせて学んでいきましょう。
前編はこちら→【基礎】パーマ_コールドパーマの基礎[前編](2022)
巻き方によるカールの違い
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施術ポイント
コールドパーマのプロセスを理解する
薬剤塗布をまんべんなく行い、かかりムラを無くす
巻き方による差を理解する
テキストで学習する
手順1:ターバン
ターバンは端を持たずに頭の大きさくらいでテンションをかけて張った状態で持ち、ネープに沿わせます。耳後ろあたりで一度ターバンをひねり、顔まわりに沿わせます。サイドも見ながらスティックとロッドが上がりすぎていないか確認します。
前髪のあるスタイルなので前髪の上でターバンを作っていきます。ターバンを前髪の下にくるようにすると、ロッドが動いてしまい綺麗にかからない可能性があるからです。前髪ありの場合は前髪の上でターバンをしてコットンを額の間に入れて薬剤がつかないようにしましょう。
ターバンと顔まわりに隙間ができていないか、固定用のラバーがしっかりかかっているか確認します。ロッドが動いて変な方向に行かないようにロッドとロッドの間に固定用のラバーが入るように調整します。薬剤をつける前に細かくチェックしましょう。
固定用のラバーはちょうど真ん中あたり(ロッド6本だったら3本と3本の間)に来るように留めます。3本で巻いている後ろは2本目の下あたりが目安です。4本で巻いているサイドは上2本を通るようにして掛け、ロッドの端などにラバーが引っかからないように気をつけます。
手順2:1剤塗布
1剤を付ける時は遠い距離からかけるのではなく近くから確実に付けます。毛量が多い方やロングの方はアプリケーターのノズルを髪の中まで押し込んで点付けをして奥まで浸透させます。髪が乾いた状態だと薬剤の浸透率が悪いのでスプレイヤーで濡らしてから塗布しましょう。
ロッドをめくって裏側につけれない時は点付けで奥までノズルを入れ込んで裏面に付けるイメージで塗布すると中まで均一についてくれます。特にボブのトップのセクションは回転数が多くなり厚みが出やすいので上のパネルほど点付けで塗布量をしっかりめにつけていきます。
顔まわりの巻きは前上がりにしているので必然的に薬剤が後ろに流れ、ネックホルダーに落ちていきます。そういったお客様に不快な思いをさせないような意識も大切です。またボブの前下がりのスタイルの場合はピンを刺す前にロッドを持ち上げて、前上がりで持ちながら薬剤を塗布してお客様に薬剤が垂れないように配慮しましょう。
前髪に薬剤塗布するときは薬剤が目に入らないようにロッドを持ち上げて額の間にタオルをかまします。タオルは際ギリギリまで入れてお客様のメイクに影響が出ないようにしましょう。前髪に染み込ませるように点付けした後に表面にも振り掛けます。中のペーパーを伝って裏側まで薬剤が浸透するように付けるのがポイントです。
手順3:チェック
1液塗布後7分経過したのでチェックをします。チェックする箇所は最初に塗布した左のアンダーセクションと最後に塗布した左のサイド、毛量が多いセクションの3箇所を見ていきます。
最初に塗布した左のアンダーセクションをチェックします。ロッドアウトはテンションをかけるとだれてしまうのでふわっと取ります。軽く引っ張って髪の毛がどれくらい戻るか確認します。しっかりかかっていないと引っ張った時にカールが戻らずワンカールのようになってしまいます。そうなった時はもう少し時間を置くか、薬剤選定の見直しが必要です。
最後に塗布した左のサイドをチェックします。ネープ部分は毛量も多く引っ張ってしっかりかかっているか確認しますが、サイドはセニングやレイヤーが入っていたりするので引っ張るよりふわっと落としてカールがしっかり出るかを確認します。引っ張ってしまうと長さがある分、ダレやすくもなるのでふわっと落とすようにチェックしましょう。
毛量が多い耳後ろでも確認します。ロッドアウトは手前に引っ張るのではなく巻きに沿って縦に外していきます。こちらもあまり引っ張らずに手に乗せてパーマの出具合を確認します。
スタイルのアンダーセクションのアウトラインを作るネープとサイドの下の巻きは弱いと見栄えが悪くなってしまうのでここは引っ張ってしっかりかかっていることを確認しましょう。
手順4:中間水洗
本来はシャンプー台で中間水洗しますが今回はウィッグなのでアプリケーターで行います。中間水洗では1剤を完全に流すことが最も重要です。1剤が残っている状態で2剤をつけるとダメージの原因となってしまいます。
また1剤をしっかり水洗することによってシスチン結合の架橋量が増えダメージが出にくくなります。なので3分~5分はしっかり中間水洗を行いましょう。
シャワーで流す際はスティックを取った状態で裏側まで1本1本丁寧に水洗しましょう。中間水洗や2剤は上から塗布すると自然と下に流れていくので効率が良いです。強い薬剤を残っている状態で2剤のブロム酸をつけてしまうと髪がダメージしてしまう可能性があるので1剤で何を使用したかで2剤も適切な薬剤選定をするようにしましょう。
1剤塗布後にターバンが緩んでいる可能性があるので顔まわりはターバンを押さえながら顔にかからないように配慮しましょう。
前髪は1剤同様に点付けで中まで浸透させてから全体にかけて水洗していきます。これを2~3度繰り返してしっかりと水洗するようにしましょう。額に差し込むタオルは際ギリギリまで入れてお客様のメイクに影響が出ないようにしましょう。この時痛くないかお客様に確認しながら行うことも大切です。
手順5:2剤塗布
2剤も1剤、中間水洗と同様1本1本しっかりつけていきます。2剤の放置時間はブロム酸は7分×2回のトータル15分ほど放置します。過酸化水素はトータルで5分を目安に2回に分けて放置します。ブロム酸は反応速度が遅く、過酸化水素は比較的早く反応します。
1回目の塗布でしっかりと全体に薬剤を浸透させ、2回目でつけムラをカバーするように塗布します。2剤も上から塗布すると下に流れて効率良く塗布できます。
前髪も中間水洗同様に持ち上げて点付けして中まで浸透させるようにします。こちらも2~3回繰り返します。この時お客様の顔に垂れていないか確認をしながら行いましょう。特に目に入るととても危険なので細心の注意を払って行いましょう。
手順6:ロッドアウト
初めにスティックを全て外します。ロッドアウトする時はカールを綺麗に出すやり方が重要です。なるべく引っ張らずにラバーを取ったらロッドを頭の方へ寄せてゆとりを持たせてから優しくアウトしていくと綺麗なカールがキープできます。
引っかかる時は先にペーパーを外すなどして髪への負担を減らしましょう。また巻く時にラバーに髪を巻き込んでいる可能性があるのでその時は無理に引っ張らず指で支えながら優しくアウトしましょう。一つ一つの丁寧な作業がお客様の満足度にも繋がります。引っ張ったり摩擦を与えるようなロッドアウトをしないよう心がけましょう。
あや掛けは4点で固定している分髪が絡みやすいので下から取ったりせず、まず一番上で留まっているラバーから外していくようにしましょう。
ロッドアウト時にロッドの本数が減ってくるとターバンが緩みやすいのでズレていないか見ながら行いましょう。前髪はアウトした時に垂れないように気をつけましょう。
手順7:巻き方によるカールの違い
左から平巻き4回転、毛先巻き、中間巻き、根元巻き、フォワード巻き、リバース巻きの6パターンあるウィッグで巻き方によってどのようにカールの出方が変わるか見ていきましょう。
平巻きはダウンステムで巻いています。4回転巻いていますが毛先の2.75回転までのカールがしっかり出て根元の1.25回転は緩い巻きになっています。
毛先巻き、中間巻き、根元巻きは全てフォワードで巻いています。毛先巻きは1.5回転で巻いています。ドライすると綺麗なワンカールになります。中間巻きは平巻きに比べてカールの幅が長くなっています。根元巻きは根元が一番強く根元からカールが形成されています。
フォワード巻きとリバース巻きは平巻きのように巻いてしまうと巻き終わりに回転数が重なってボリュームが出てしまいます。なのでペーパーでパネルを挟むようにして巻いていくとカールを綺麗に出すことができます。
前編でブロッキング〜ピン刺しまでを解説しています。ぜひ前編もご覧ください。