【基礎】縮毛矯正のアイロンワーク
今回は縮毛矯正で行う基本的なアイロンワークを解説します。アイロンの扱い方やコームやツインブラシの使い方、一人でやる場合と二人でやる場合の施術時の注意点などお伝えしています。ツインブラシはコームより綺麗にパネルを整えられるメリットがありますが使い方が難しいのでしっかり練習してから使うようにしましょう。
アシスタントの方はヘルプで入った時に問題なくアイロンワークが行えるようにこの動画で学びましょう。
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施術ポイント
髪を潰さないアイロンの入れ方、プレス圧ができる
カットラインに沿って自然にアイロンを通すことができる
二人施術の時にサイドのスピードにつられてバックが雑にならない
テキストで学習する
手順1:アイロン前の注意点
アイロンをする時の注意点として一番気をつけたいのが、水分が残っている状態でアイロンをすると一番ダメージに繋がってしまいます。アイロンを入れた時に「ジュッ」という水分が蒸発する音がしないくらいしっかり乾かしましょう。アイロンをしていて湯気が出るのは毛髪のSS結合を切って動きやすくなっている中の構造を整えているからなので湯気が出ることは悪いことではありません。一番注意することはしっかりと乾かすことです。アイロンを入れる前に自分の手で触って確かめたり、コームを入れて束感が出ると水分が残っている証拠なので注意しましょう。
手順2:バック(コーム)
イヤートゥイヤーとセンターの4ブロックにブロッキングします。二人でやる時は後ろをやる人と前をやる人で分担するとムラになりにくいです。
スライス幅を均一に取ることが大切です。スライス幅は細毛軟毛の方であれば1cm~1.5cm、多毛硬毛の方であれば0.5cmくらいの厚さで取ります。スライス幅を決めたらムラが出ないように均一に取るようにしましょう。
アイロンは常に手に持った状態で施術できると効率的で時短になります。ウィッグで練習する時も持ちっぱなしで施術できるように練習しましょう。
アイロンする時のステムはダウンステムではなくオンベースよりも少し上げます。
熱により髪の毛がデリケートな状態なので髪の毛を潰さないように下のプレートで髪の毛を迎えに行って軽く挟んでいきます。上のプレートに近い位置で挟んでしまうと髪を潰してしまうリスクが高いので気をつけましょう。
根元はステムを下げずに中間からステムを下げてカットラインに合わせてアイロンを下ろします。
この時、艶が出ていない場合は熱がしっかり通っていないのでその場合はもう一度アイロンを通します。触ってみてざらついていたり艶が出てなければ熱不足なのでしっかり確認しましょう。またこの時出る湯気は髪の毛の中が整っている証拠なので悪いことではありません。初めて縮毛矯正されるお客様には湯気が出ている時に髪の毛の中が作り変わっているので大丈夫ですと伝えておくと安心していただけると思います。お声がけを忘れないようにしましょう。
コーミングをしすぎると毛先が静電気を帯びて散ってしまい、アイロンで綺麗になりにくいです。密歯のコームは静電気が起こりやすいので歯があまり密でないコームを使いましょう。
パネルの横幅がコームやアイロンのプレート幅より広くなって中に髪の毛を集めてアイロンすると両サイドの根元にアイロンが入らなくなるのでその場合は2パネルに分けてやりましょう。
毛先は量が少ない場合は3~5パネルくらいをまとめて通します。その方が毛先への熱ダメージが少なくなります。一人でやると時間がかかってしまうのでまず確実に一回でスライスを決め、手数を減らすためにも毛先は逃して根元の厚みがある所を見極めて毛量が多い所だけアイロンを入れて毛先は後でまとめてするようにします。毛量や髪のコンディションを見て効率よく入れていけるようにしましょう。特に毛先が切れたり梳かれすぎている場合はまとめた方がダメージも軽減でき効率も良いのでコンディションを見て行いましょう。
アイロンの持ち方はプレートの近くで持つと力が強くなり髪を強く挟みすぎてしまうので少し離れた位置で持つとプレートが接着するかしないかくらいの力で持てます。二人でアイロンに入る時の注意点はスライス幅を合わせる事と、プレスの力加減も合わせないとムラの原因になるので注意しましょう。アシスタントの方は事前にスタイリストに指示をもらうようにしましょう。
手順3:サイド(コーム)
もみあげが深い方は細かくパネルを取ります。耳周りが伸びていない失敗例も多いので細かく取りましょう。顔まわりは人によって産毛や生えぐせがあるので繊細なアイロンワークが必要です。カラーと同じでアイロンも場所によって細かい作業が仕上がりに影響します。しっかりとパネルの厚みとプレスの力を均一にすることが大切です。
サイドはお客様から見える重要なセクションなので二人でやる場合はサイドはスタイリスト、バックはアシスタントがやるようにしましょう。見える所をスタイリストが担当する方が安心感があります。アシスタントが担当したところもスタイリストが最終確認しましょう。
サイドも同様に下のプレートで迎えに行くように軽く挟みます。オンベースから徐々にステムを下げていきます。
イヤートゥイヤーでブロッキングしていた所をバックサイドからオーバーラップして分け目も一緒にアイロンします。ブロッキングの分け目のアイロンが甘くなりやすいのを防ぎます。
顔まわりは丸みが強く根元までアイロンが入りにくいのでサイドは細かく丁寧にアイロンを通していきます。1パネルでできそうな所も2パネルにして細かくやりましょう。
二人でやっている時にサイドの方がバックより毛量が少ないので先に終わります。バックのアイロンはサイドのスピードにつられて焦って中途半端になったり熱がしっかり伝わってないまま次のパネルにいくとクオリティが下がってしまうので、サイドの方が必ず早く終わることを認識してそれに焦らずに丁寧な仕事をしましょう。
サイドの方はイヤートゥイヤーを少しオーバーラップしてセクションを取るとバックの方の負担を減らすことができます。二人でやる時はお互いに負担を減らせるような工夫をしていきましょう。
手順4:バック(ツインブラシ)
反対側はコームではなくツインブラシを使ったやり方を解説します。ツインブラシの方がテンションがかかるのでパネルを強く挟みすぎると静電気で髪の毛が散ってパサついてしまいます。しっかり挟むことは大切ですがやりすぎるとパサつくので注意しましょう。
挟んだ時に少し内側に折ることで変なテンションをかけずに引っ張ることができます。
コームもツインブラシもアイロンと間を空けずに一緒に動かします。コームよりツインブラシの方が難しいのでお客様を施術する前にしっかり練習しましょう。
アイロンの入れ方、スライスの仕方やパネルの取り方はコームと同様です。dysonコラールは髪を強く挟んでも潰れないプレート設計になっていますが根元に線がついてしまうと強く挟んでしまっているので線がつかないプレス圧を意識しましょう。線がつかないプレス圧が縮毛矯正・髪質改善のアイロンワークで重要です。
二人でやる時はツインブラシのプレス圧に差異が出やすいのでコームの方がアイロンのプレス圧だけ揃えれば良いので綺麗に仕上がります。アイロンは熱や髪を挟むことでダメージさせてしまうリスクがあるのでなるべく髪への負担を減らすためにも二人の時はコームがおすすめです。
毛先をまとめてアイロンする時はテンションをかけすぎると特に乾いた状態だと静電気で髪が散ってしまいます。アイロン後のツインブラシは軽く挟むようにしましょう。まとめてアイロンする方の毛先は毛量が少なかったりハイダメージしているのでコームでもそうですがツインブラシは特にテンションのかけすぎに注意しましょう。ツインブラシの役割はアイロン前にパネルを綺麗に整えることなのでテンションの掛け方には気をつけましょう。
手順6:サイド(ツインブラシ)
もみあげが深い方は細かくパネル分けします。産毛に近い髪質の場合は引っ張ったりテンションをかけないように注意します。また細毛の場合はアイロンの熱で焼けてしまうので厚めにパネルを取ります。今回はウィッグでこめかみが深くないので5mmくらいで取ります。
ツインブラシで挟めない厚さのパネルは指で挟んで持ちます。顔に近い位置なので根元に入れる時は耳を挟まないように注意します。指を根元まで入れた状態で挟んで奥に押し込むようにすると良いです。
もみあげはコームなど使わずに指で滑してアイロンします。既にアイロンしているこめかみ部分は落としてサイドもやっていきます。
縮毛矯正は真っ直ぐに伸ばす技術なので自然なアールでアイロンを入れます。アイロンで曲げようとしても仕上がりでは曲がっていないです。また中途半端に髪の毛が折れてしまう原因にもなるのでなるべく自然に下ろしていくようにしましょう。曲げたい時は2剤の時にロッドを巻く施術をします。自然にカットラインに沿わせて下ろしていくように意識しましょう。
前髪があるスタイルでアイロンを入れる前に割れてしまっている場合はハンドブローで割れないようにブローをしっかりしましょう。顔まわりにレイヤーが入っているスタイルも最近は多いので、ハンドブローで完成した時の髪の毛の落ちる位置を作るようにしましょう。前髪のあるスタイルは割れてしまうとお客様は直すことができないのでアシスタントの方がドライをする場合はハンドブローでどんな風に乾かすかをしっかり共有することも重要です。ハンドブローからベースを作るように意識しましょう。
前髪が長いスタイルでサイドに流したい時もアイロンでやろうとすると綺麗に曲がらずに変な癖がついてしまう可能性があるのでお客様にコテで巻いてもらうなどカウンセリングで説明しましょう。縮毛矯正は髪を真っ直ぐにする技術なので変にアイロンで曲げたりしないように注意しましょう。
手順7:時短テクニック
一人でやる時は時短のために4パネルではなく3パネルに分けます。つむじを起点にサイドとバックの3つに分けます。この分け方のメリットは耳の付け根の間のバックセクションが毛量が多く時間がかかりますがそこのセクションが狭くなりサイドと均等になるのと、サイドとバックサイドの分け目をオーバーラップしなくて済むのでチェックが最小限で済むため時短になります。
バックのセンターで2等分するやり方もあります。ロングは先程の3パネルに分け、ボブは左右で2パネルに分けてやります。
二人の時はサイドをイヤートゥーイヤーより少し後ろで分けてやっていきます。バックが時間がかかっていればサイドバックも取っていき負担を減らします。またアイロンが入っていない所は乾燥していってしまうので水分量を合わせるためにもこのようなスライスの取り方をすると良いです。このやり方を参考にしていただき、あくまでもアシスタントの方は必ずスタイリストの方のやり方に合わせるようにしましょう。
アシスタントの方が気をつけてほしい点はサイドのスピードにつられて雑な仕事をしない事が重要です。丁寧な仕事ができるように1パネルずつ確実に正確にできるよう練習しましょう。