【WELLAコラボ2_1/3】ブリーチワークがうまくなる３つのスキル(衣川)
３つの履歴のあるウィッグを使用してブリーチワークの解説をします。ブリーチリタッチ履歴のあるウィッグ、黒染め・残留があるウィッグ、バージンヘアのウィッグの３パターンを使ってそれぞれ正確なブリーチワークを行えるよう説明していきます。
講師紹介
衣川 光
オリジナルの世界観で作るヘアスタイルが全国の美容師から大人気！
生年月日：1988年11月17日
出身：京都府
出身校：関西美容専門学校
所属：ALBUM HARAJUKU
役職：クリエイティブディレクター
スタイリスト歴：13年
得意なイメージ：ナチュラル
得意な技術： 乾かしただけでまとまるカットを意識しています。カラーはくすみ、透明感のあるアッシュ系、ベージュ系が得意。また、ふんわりやわらかいスタイルが得意で、流行りのルーズ感があるアレンジが得意。
ALBUMクリエイティブディレクターとしてALBUMの技術を支えている。 自身のヘアアレンジを紹介した書籍を2019年1月に発売し、重版になるほどの人気を博している。Instagramでは、ヘアアレンジの他、カットやカラーの施術動画も投稿しており、フォロワー数は2020年7月時点で約10万人を擁している。
また、instagramに注力し、カットやカラーの施術動画、ヘアスタイルやアレンジ動画など様々なジャンルの動画を投稿し、多くのファンを獲得。ヘアアレンジはもちろん、オリジナルの世界観で作るヘアスタイルが全国の美容師から人気を集め、業界誌や撮影、セミナーの講師と活躍の幅を広げる。ヘアアレンジはメイクやファッションと同じで立派なコーディネートの一部であり、簡単に誰にでも出来るヘアアレンジを紹介した、自身初の著書「自分史上最高に垢抜ける ヘアアレンジのルール」(ナツメ社)を2019年1月に出版。
ブリーチリタッチ施術ポイント
根元やディバイディングラインに適切な塗布をする
ペーパー・フォイル・コットンなどでしっかりカバーする
黒染め・残留色素のある髪の施術ポイント
フォイルを使い履歴を浮き彫りにする
既染毛の状態に合わせて根元や残留の対処・ブリーチ剤や2剤の選定
バージンヘアの施術ポイント
根元以外をしっかり塗布して明るくする
時間差をつけて根元の塗布・対処方法を変える
材料
| ブリーチ剤 | ウエラ ブリーチ ノンダスト |
| OX | ウエロキソン パーフェクト 6% |
テキストで学習する
【パターン①ブリーチリタッチ】
Before（事前の状態）
ブリーチリタッチのウィッグの履歴を説明します。ハイトーンを繰り返し、根元が2~3cm伸びている状態です。2~3ヶ月ぶりの来店を想定した履歴になっています。気を付けるポイントは、新生毛のレベルを既染毛のレベルになるべく合わせることと、新生毛にブリーチ剤を塗布する際に既染毛に掛からないように注意します。
手順1：縁取り
まず初めに縁取りをします。ブリーチリタッチは薬剤塗布の幅がとても重要になります。塗りたい幅とハケに薬剤をとる幅は同じにしましょう。
手順2：仮塗り
縁取りが終わったら根元に塗布していきます。上のパネルから素早く仮塗りをしていきます。スライスは約1cmを目安に取ります。リタッチの場合は塗る範囲が狭いことも多いので細かい部分が塗りやすいハケを使うと作業がスムーズです。
手順3：塗布チェック
仮塗りが完了したら塗布量のチェックをしながらディバイディングラインの塗布をします。下のパネルから始めます。スライス約1cmでペーパーを挟みながら塗布していきます。塗布があまいディバイディングラインに薬剤をしっかり塗布するようにしましょう。コーミングで裏まで浸透させてぼかし、再度塗布を整えます。この時にブリーチ剤が既染部まで移りすぎないように注意します。
暗く残る黒い帯はブリーチ剤が既染毛まで塗布できていないと発生するので怖がらずに既染部のラインまでしっかり塗布するようにしましょう。
逆に明るくなりすぎた白い帯は既染毛にオーバーラップしすぎたり、塗布量が多すぎると発生するのでコームで馴染ませて既染部に薬剤が多くならないようにしましょう。
細かいハケの使い方や、塗布量のバランスを意識して塗布するようにしましょう。
逆に明るくなりすぎた白い帯は既染毛にオーバーラップしすぎたり、塗布量が多すぎると発生するのでコームで馴染ませて既染部に薬剤が多くならないようにしましょう。
細かいハケの使い方や、塗布量のバランスを意識して塗布するようにしましょう。
フロント部分はリフトしづらいのでしっかり塗布量をのせます。
今回はペーパーを使用しましたが、リタッチ幅によって種類を使い分けます。新生毛の幅が3cm以内であればペーパー、4~5cmの場合はコットン、5cm以上はフォイルを使用すると良いでしょう。リタッチ幅がとても狭い場合は何も敷かずに塗布したほうがスピーディーな施術が出来ます。
【パターン②黒染め・残留色素のある髪】
Before（事前の状態）
黒染めや暗髪の履歴があるウィッグで説明します。一見すると新生毛と既染毛の見分けがつきにくい為カウンセリングがとても重要になります。カウンセリングで履歴をしっかり確認しましょう。そのまま塗ってしまうと残留部分が明るくならなかったり、新生毛だけ明るくなったりしてしまうので履歴によってブリーチ剤の種類やオキシ(2剤)の調整をしてください。
手順1：カウンセリング
最後にカラーされたのはいつ頃かなどを髪の長さによって履歴を遡って確認しましょう。(このウィッグの長さだと3~4年くらい前まで)。特に黒染めや暗く染めた時について確認するようにしましょう。履歴についてお客様が覚えていないことも多いので、ブリーチは2回に分けて行い、1回目で履歴を浮き彫りにしてから再度履歴のある部分にアプローチします。
手順2：仮塗り
最後に暗くカラーしたのが3ヶ月前と想定すると根元から約3cmは新生毛なので、その部分を空けてブリーチ剤を塗布します。
使用している薬剤は1剤が「ウエラ ブリーチ ノンダスト」、２剤が「ウエロキソン パーフェクト6%」です。早く履歴を浮き彫りにしたい場合や、早く全体を塗れる時はオキシは6%を使用します。ロングや毛量が多い時など塗り始めから塗り終わりまで時間が空いてしまう場合は、最初は4.5%で塗り、最後に6%で塗るなどオキシ調整をします。
最初は仮塗りなのでスピーディーに下から塗布していきます。根元に薬剤が付かないようにパネルをオンベースでしっかり上げて内側から塗ります。リフトする部分としない部分ではっきり分かれないようにハケを返して境目を馴染ませます。一人塗りの場合は全体を仮塗りしてからフォイル工程に入るとリフト差が起きにくいので先に全ての仮塗りを完了させます。
手順3：フォイルブリーチ
スライス幅を3~4cmで取り、下のパネルから塗布します。フォイルを挟む際に塗り残しがないようしっかりと塗布しましょう。パネルは細かくなりすぎると時間がかかってしまうので3~4cmくらいがちょうど良いです。
リフト具合を確認してからオキシ調整などの根元部分の対応を考えます。まずは黒染め・残留色素のある部分を明るくすることに集中して、その後リフト具合を見ながら根元の対処方法を考えるようにしましょう。
【パターン③バージンヘア】
Before（事前の状態）
素髪の状態から初めてハイトーンにするケースです。初めてカラーをするお客様でも縮毛矯正やパーマの履歴がある方もいるのでしっかりカウンセリングで確認します。実際の髪の毛を触って状態を確認することも重要です。また1ヶ月1.5cmほど伸びるので、髪の長さから計算して履歴を遡り、的確なブリーチ剤の選択をすることも重要です。
手順1：仮塗り
バージンヘアは綺麗にリフトするので基本的にはフォイルは使用しないで行います。パネルは3~4cmくらいで取り、下から塗っていきます。体温が影響する1cmくらい根元を空けて塗布します。パネルに手を添えて根元に付かないようにしましょう。バージンヘアの場合はパネル毎に完璧に塗りきっていきます。塗りづらい場所や明るくなりづらい場所から塗布します。バックの一番下の方はリフトしにくいのでここから塗っていきます。
オキシは最初のセクションでは4.5%で塗り、最後のセクションでは6%で塗るとリフトが安定します。コームを深く入れすぎたり寝かせすぎると薬剤の塗布量にムラができる為、注意します。ブラシは寝かせて、浅くコーミングしながら薬剤を徐々に毛先に伸ばしていきましょう。
根元はリフトしやすいので中間・毛先のリフト具合を確認してから時間差をつけて塗ると良いです。または中間・毛先は6%、根元は3%や4.5%のようにリフトを弱めるのも方法の一つです。
まとめ
３つのパターンの履歴に対する施術方法のおさらいです。黒染め・残量色素のある髪の場合は、フォイルを使ったブリーチで履歴を浮き彫りにし、リフト度合いに合わせて根元や残留部分の対処法を考えていきます。バージンヘアの場合は、根元以外をしっかり塗布しリフトした後に、時間差をつけて根元を塗布していきます。ブリーチリタッチの場合は、既染部に薬剤が付かないようにフォイルやコットンを使ってしっかりカバーしながら、ディバイディングラインに適切に塗布をしていきます。薬剤の選択は、リフトのしやすさで強弱をつけていきます。全てに共通するのはカウンセリングでしっかりと履歴を把握することが重要です。髪の長さに合わせて履歴を遡ること、実際に髪を触って状態を確認することで適切なブリーチやオキシの選定をしていくことが大事なポイントです。
